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「今年は仮想通貨で利益が出たけど、年内に何かしておくことはある?」
「取引所から『届出』のお知らせが来ていたけど、まだ出していない…」
年末が近づくと、仮想通貨についてこんな疑問が出てきますよね。
結論から言うと、年末にやることは「期限のある手続き」と「来年の確定申告の準備」の2種類です。特に2026年は、取引所に居住地国などを届け出る手続きの期限が12月31日になっています。税金の面では、仮想通貨の損益は1月1日〜12月31日の1年単位で計算され、損失は翌年に繰り越せないため、年内に今年の損益を把握しておくことが大切です。
この記事では、2026年の年末までに確認しておきたい7つのことを、チェックリストの順番で解説します。
💡 この記事のポイント
- 2025年までに口座を作った人は、取引所への居住地国の届出を2026年12月31日までに
- 仮想通貨の損益は12月31日で締めて1年ごとに計算。損失は来年に繰り越せない
- 年内に損失を確定させるなら、総平均法だと同じ年の買い戻しで効果が小さくなる
- 利益が20万円を超えた会社員は確定申告が必要。ふるさと納税のワンストップ特例は使えなくなる
- 分離課税(税率20%)は2028年分からの見込み。2026年分・2027年分は今のルールのまま
結論:年末にやることは「7つのチェック」だけ
年末の仮想通貨は、「急いで売買する」ことより「確認して準備する」ことが中心です。次の7つを上から順に見ていけば、来年の確定申告であわてずにすみます。
✔ ② 今年ここまでに確定した損益を計算する
✔ ③ 利益を確定するのは今年か来年か、税金だけで決めない
✔ ④ 損失を確定させるなら、計算方法(総平均法)に注意する
✔ ⑤ 取引履歴をダウンロードして保存する
✔ ⑥ ふるさと納税は「確定した利益」で上限を考える
✔ ⑦ 会社員は、年末調整では仮想通貨の税金が精算されないことを知っておく
① 取引所への「居住地国の届出」を済ませる(12月31日まで)
2026年1月から、国内の暗号資産取引所を使う人は、自分がどの国の居住者か(居住地国)などを取引所に届け出ることになりました。「CARF(暗号資産等報告枠組み)」という国際的なルールにもとづく手続きで、各国の税務当局が、暗号資産の取引情報を交換するための仕組みです。
| 対象の人 | 届出の期限 |
|---|---|
| 2025年12月31日の時点で口座を持っていた人 | 2026年12月31日まで |
| 2026年1月1日以後に口座を作った人 | 口座開設の手続きの中で提出 |
※国税庁「CARF(暗号資産等報告枠組み)」の公表資料をもとに作成。
届け出る内容は、氏名・住所・居住地国・外国の納税者番号(日本だけに住んでいる人は通常なし)などです。多くの取引所では、アプリやサイトの案内画面から入力できます。日本に住んでいて海外に納税義務がない人なら、案内に沿って入力すれば数分で終わることが多いでしょう。
取引所は、届出の内容と、暗号資産の種類ごとの売却・購入の合計額などを、2026年分から毎年税務署に報告します(初回の報告期限は2027年4月30日)。マイナンバーは報告の対象外です。
取引所によっては、期限までに提出がない場合にサービスの利用が制限される可能性があると案内しています。使っていない取引所の口座も含めて、届出の案内が来ていないか確認しておきましょう。
また、「届出」を口実にしたメールやSMSで偽サイトに誘導する詐欺にも注意してください。届出はメールのリンクからではなく、公式アプリやブックマークした公式サイトから開くのが安全です。乗っ取りを防ぐ設定は証券口座・仮想通貨の乗っ取り対策チェックリストにまとめています。
② 今年ここまでに確定した損益を計算する
年末に何かを判断するには、まず今年(1月1日〜今日)に確定した利益と損失が、合計でいくらになっているかを知る必要があります。仮想通貨の利益が確定するのは、次のようなときです。
2. 別の仮想通貨と交換したとき
3. 仮想通貨で買い物をしたとき
4. ステーキングやレンディングなどで報酬を受け取ったとき
値上がりしたまま持っているだけの分(含み益)は、まだ利益として数えません。反対に、コイン同士の交換は「円に換えていないから利益ではない」と思われがちですが、交換した時点で利益や損失が確定します。
国内の取引所1か所で売買しているだけなら、取引所の損益画面や取引履歴から目安をつかめます。取得単価の出し方は平均取得単価の計算方法で具体例つきで解説しています。一方、取引所が複数ある、コイン同士の交換が多い、海外取引所やDeFiも使っているという人は、手計算はかなり大変です。
損益計算サービスを使うと、各取引所の取引履歴を取り込んで、年間の損益をまとめて計算できます。年明けにあわてる前に、年内に一度計算しておくと、③④の判断材料になります。
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※料金プランや対応している取引所・計算方法は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。計算結果は申告前にご自身でも確認してください。
③ 利益を確定するのは今年か来年か、税金だけで決めない
仮想通貨の利益は、12月31日までに確定した分が2026年分、1月1日以後に確定した分が2027年分として計算されます。2026年分の利益は「雑所得」として給与などと合算され、所得が多いほど税率が上がる累進課税です。
そのため、同じ利益でも「どの年に、ほかの所得といくらで合算されるか」で税額が変わることがあります。たとえば、今年すでに大きな利益が確定している人が、さらに年内に利益を確定させると、その分は高い税率で計算されやすくなります。今年の利益に対する税額の目安は、仮想通貨の税金シミュレーターで年収と利益を入れて確認できます。
年をまたいで利益の確定を先送りしても、その間に価格が下がれば、税金の差よりも大きく資産が減る可能性があります。反対に、税金を気にして売らずにいたら、利益がなくなったというケースもあります。売るかどうかは、そのコインを持つ理由や、生活費とは別のお金かどうかで判断し、税金はそのあとで確認する順番がおすすめです。
なお、税率20%の分離課税は2028年分からの見込みで、2027年に利益を確定しても、今のルール(総合課税)のままと考えておくのが安全です(くわしくは下の「分離課税は2028年分から」で解説)。
④ 損失を確定させるなら、計算方法(総平均法)に注意する
仮想通貨の損失は、同じ年の仮想通貨の利益や、ほかの雑所得となら差し引けますが、給与や株・FXの利益とは相殺できず、翌年に繰り越すこともできません。そのため、今年すでに利益が確定していて、別のコインに含み損がある人の中には、年内に売って損失を確定させる人もいます。いわゆる「損出し」です。
ここで注意したいのが、取得単価の計算方法です。届出をしていない個人は総平均法で計算するため、売ったあと同じ年のうちに同じコインを買い戻すと、確定する損失が小さくなります。売買の手数料や販売所のスプレッドもかかるので、「売ってすぐ買い戻せば、持ったまま税金だけ減らせる」とは限りません。
計算方法を移動平均法に変える場合は、変えたい年の3月15日までに届出が必要で、2026年分の計算方法を今から変えることはできません(2027年分から変えるなら2027年3月15日まで)。
損失と相殺できるもの・できないものの一覧と、買い戻したときの具体的な計算例は仮想通貨の損失は確定申告で相殺できる?でくわしく解説しています。
⑤ 取引履歴をダウンロードして保存する
確定申告では、取引所から届く年間取引報告書や取引履歴をもとに損益を計算します。国内の登録取引所なら、年明けに年間取引報告書が発行されるのが一般的ですが、次のような取引は自分で記録を残しておく必要があります。
- 海外取引所での売買:サービスの終了や日本からの利用停止で、あとから履歴を取り出せなくなることがある
- ウォレットやDeFiでの交換・報酬:取引所の報告書には載らない
- 使わなくなった取引所の口座:口座を解約する前に、過去の履歴をダウンロードしておく
- NFTの売買や、仮想通貨での支払い:日付と、そのときの円での金額をメモしておく
年末にまとめて取引履歴(CSVなど)をダウンロードし、パソコンやクラウドに保存しておくと、2月の確定申告が楽になります。今後の取引を国内の登録取引所にまとめておくのも、記録の手間を減らす方法の一つです。
⑥ ふるさと納税は「確定した利益」で上限を考える
ふるさと納税の上限額は、住民税の所得などをもとに決まります。仮想通貨の利益も所得に含まれるため、利益が出た年は上限額の目安が上がることがあります。2026年分として扱われるのは、12月31日までの寄附です。
ただし、注意点が2つあります。
「年末に売るつもり」の利益を見込んで寄附したあと、価格が下がって利益が減ると、上限を超えた分は自己負担が増えます。上限の目安は、すでに確定した利益で考えるのが安全です。
2. 確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になる
仮想通貨の利益で確定申告が必要な人が確定申告をすると、ふるさと納税の「ワンストップ特例」の申請は無効になります。ワンストップ特例を申請した分も含めて、確定申告で寄附金控除を申告する必要があります。寄附の受領証明書は捨てずに保管しておきましょう。
医療費控除なども同じ確定申告書で申告できます。確定申告書の作り方は仮想通貨の確定申告のやり方(スマホ)で、画面の流れに沿って解説しています。
⑦ 会社員は、年末調整では仮想通貨の税金が精算されない
会社員の場合、年末調整で精算されるのは給与の税金だけで、仮想通貨の利益は年末調整の対象外です。利益の大きさによって、来年やることが変わります。
| 2026年の仮想通貨の利益(ほかの副業なども合わせた給与以外の所得) | 来年やること |
|---|---|
| 20万円を超える | 所得税の確定申告(2027年2月16日〜3月15日) |
| 20万円以下 | 所得税の確定申告は原則不要。ただし住民税の申告は必要 |
| 0円以下(損失) | 仮想通貨の分の税金はかからない(ほかの雑所得がある人は合算して判断) |
※会社員(給与所得者)の一般的な場合。医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする人は、20万円以下でも雑所得を含めて申告します。
「20万円以下なら何もしなくていい」と思われがちですが、住民税には20万円のルールがありません。少額の人の住民税の申告方法は仮想通貨の利益が20万円以下なら住民税の申告をで解説しています。
申告が必要なのに申告しないと、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。どんなペナルティがあるかは仮想通貨の税金を申告しないとどうなる?にまとめています。
分離課税は2028年分から。2026年分・2027年分は今のルールのまま
令和8年度の税制改正で、仮想通貨の利益を税率20%(復興特別所得税を含め20.315%)の申告分離課税にすることが決まりました。ただし対象は、改正された金融商品取引法の施行日の翌年1月1日以後の取引で、2028年分からの適用が見込まれています。
・2026年分・2027年分の利益は、今のルール(雑所得・総合課税)で計算する見込み
・分離課税で予定されている損失の3年繰越は、新しい制度の対象となる取引の損失が対象。現時点の公表資料では、2026年分の損失を持ち越せるとはされていない
・対象は登録業者で扱われる一定の仮想通貨(特定暗号資産)の取引で、細かな要件は今後の政省令や国税庁の案内で決まる
「2028年まで待てば税率が下がる」と考えて売買を先送りする場合も、その間の価格変動のリスクは自分で負うことになります。制度の最新の動きは仮想通貨の税金はいくらから?で更新しています。
\ 年間取引報告書が出る国内の登録取引所 /
来年の取引を国内の登録取引所にまとめておくと、年明けに出る年間取引報告書で損益を確認しやすくなり、申告の手間も減らせます。
コインチェック
【GMOコイン】
※口座開設・維持費は無料です。各種手数料・スプレッド、年間取引報告書の発行時期などの最新情報は必ず各公式サイトをご確認ください。新しく口座を開く場合も、居住地国の届出は口座開設の手続きの中で行います。仮想通貨は価格変動により元本を下回る可能性があります。
取引所ごとの手数料の違いは仮想通貨の取引所はどこがいい?3社を手数料で比較で比べています。
よくある質問
Q1. 居住地国の届出をしないと、取引所からお金を出せなくなりますか?
扱いは取引所ごとに異なります。期限までに提出がない場合、サービスの利用が制限される可能性があると案内している取引所もあります。届出の案内は各取引所のアプリやサイトのお知らせで確認し、年内に済ませておくと安心です。お知らせが見当たらない、どこから出すかわからないという場合は、取引所の公式サイトのヘルプで「CARF」や「届出」と検索してください。
Q2. 届出をすると、仮想通貨の利益が税務署に知られますか?
取引所は、届出の内容と暗号資産の種類ごとの売却・購入の合計額などを税務署に報告します。ただし、届出をするかどうかに関係なく、利益が出ていれば申告が必要なのは今までと同じです。利益が出た人は、ルールに沿って申告することがいちばんのリスク対策です。
Q3. 12月31日の夜に売った分は、今年と来年のどちらになりますか?
年末ぎりぎりの取引は、取引が成立した時刻の扱いなどで判断が難しくなることがあります。また、年末は取引所のメンテナンスや混雑も起きやすく、思った時刻に注文が通らないこともあります。今年の損益として確定させたい取引は、12月31日を待たずに、余裕をもって済ませておくのが安全です。
Q4. 含み損のまま年を越すと、損失はなくなりますか?
含み損は、まだ損失として確定していないので、税金の計算には入りません。持ち続けていれば、来年以降に売ったときの損益として計算されます。年内に売って損失を確定させるかどうかは、税金だけでなく、そのコインを持ち続ける理由や手数料も含めて考えましょう。
Q5. NISAの年末にやることも知りたいです。
NISAは年間枠の締め切りが「受渡日」で決まるなど、仮想通貨とは年末のルールが違います。今年の枠の締め切りや来年の積立設定は新NISAの年末にやること7つにまとめています。
まとめ:年末は「急いで売買」より「届出と記録」を
- 2025年までに口座を作った人は、居住地国の届出を12月31日までに。届出は公式アプリ・公式サイトから
- 仮想通貨の損益は12月31日で締めて1年ごと。年内に今年の損益を計算しておく
- 利益の確定も損失の確定も、税金だけで決めない。総平均法では同じ年の買い戻しで損失が小さくなる
- 海外取引所やDeFiの取引履歴は自分で保存しておく
- 確定申告をする人は、ふるさと納税のワンストップ特例が無効になる。寄附も確定申告で
- 会社員は年末調整では精算されない。20万円超は確定申告、20万円以下は住民税の申告
仮想通貨は価格の変動が大きく、元本を下回ることもあります。年末の値動きや「節税」という言葉に流されず、まずは届出と今年の損益の確認から始めましょう。
🧮 確定申告の前に、今年の損益を年内に
取引所が複数ある人や、コイン同士の交換が多い人は、手計算だと時間がかかります。
年内に計算しておけば、利益確定や損失の判断にも使えます。
利用者No1の仮想通貨税金計算サービス【CRYPTACT(クリプタクト)】
※料金プラン・対応取引所などの最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください。
📌 税金がいくらになるか計算するなら → 仮想通貨の税金はいくらから?年収別の早見表とシミュレーター
📌 損失の相殺と年内の損出しは → 仮想通貨の損失は確定申告で相殺できる?
📌 確定申告の手順は → 仮想通貨の確定申告のやり方(スマホ)
📌 NISAの年末の準備は → 新NISAの年末にやること7つ
⚠️ 免責事項とご利用上の注意
- 本記事は、2026年10月25日時点で確認できた国税庁の公表資料、令和8年度税制改正に関する公表情報、取引所の案内などをもとに、仮想通貨(暗号資産)の税金と手続きに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の取引や金融商品の売買、特定の事業者の利用を推奨・保証するものではありません。税務上の助言でもありません。
- 居住地国の届出(CARF)の手続き方法や、未提出の場合の扱いは取引所ごとに異なります。必ずご利用の取引所の最新の案内をご確認ください。
- 分離課税の適用時期や損失の繰越控除の要件は、今後の法令・政省令により変更・確定する可能性があります。
- 税金の取り扱いは個人の状況によって異なります。個別の判断や正確な税額については、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
- 仮想通貨は価格変動が大きく、元本を下回る可能性があります。売買には手数料等のコストがかかり、売却後に価格が上昇する可能性もあります。
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<参考資料>
国税庁「CARF(暗号資産等報告枠組み)」
国税庁「暗号資産等報告枠組み(CARF)に係る制度の概要」
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」(FAQ 問2-5・2-6・2-11)
東京国税局「ふるさと納税ワンストップ特例の申請をされた方へ」
大和総研「令和8年度税制改正 暗号資産の課税」

