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「何回かに分けて買ったけど、結局いくらで買ったことになるの?」
「値下がりしたところで買い増したら、平均単価はどこまで下がる?」
そんな疑問を抱えていませんか?
平均取得単価は、計算式ひとつで誰でも出せます。ただし、「価格の単純平均」で計算してしまったり、手数料を入れ忘れたりすると、思っていた数字とズレてしまいます。
原因は、手数料と「買った数量の違い」を計算に入れていなかったこと。
仕組みさえ分かれば、買い増しの前に「いくら必要で、単価がいくらになるか」を落ち着いて確認できるようになります。
💡 この記事のポイント
- 平均取得単価は「買った金額の合計(手数料込み)÷保有数量の合計」で計算します
- 買った価格を足して回数で割る「単純平均」とは違うので注意が必要です
- 値下がり時の買い増し(ナンピン)で平均単価は下がりますが、さらに下がったときの損失は大きくなります
- 一部を売却しても、残りの平均取得単価は原則変わりません
- 仮想通貨は税金計算で「総平均法」か「移動平均法」を使い、方法によってその年の利益が変わります
結論:平均取得単価は「合計金額÷合計数量」で計算する
平均取得単価(へいきんしゅとくたんか)とは、持っている株や仮想通貨を「1単位あたり平均いくらで買ったか」を表す数字です。損益の計算や、いくらまで値上がりすれば利益になるかを判断する基準になります。
平均取得単価の計算式
平均取得単価 =
(購入金額の合計 + 購入手数料の合計)÷ 保有数量の合計
1,200円・1,000円・900円で買ったとき、「(1,200+1,000+900)÷3=約1,033円」と計算するのは誤りです。
それぞれ何株買ったかで平均単価は変わります。次の計算例で確認してみましょう。
平均取得単価 計算ツール(株・仮想通貨対応)
購入した価格・数量・手数料を入れるだけで、平均取得単価と評価損益を計算できます。
はじめは下の「計算例」の数字が入っています。
※株は税務上の計算(総平均法に準ずる方法)にならい、1円未満を切り上げて表示します。
※売却分は考慮していません。売却しても、残りの平均取得単価は原則変わりません。
📌 「これから買い増すなら、何株でいくらになる?」を試算したい方は、こちらのツールが便利です。→ ナンピン計算機(買い増し後の平均単価と必要資金を比較)
💰 平均取得単価を押し上げる「コスト」も見直そう
買い増しの回数が増えるほど、売買手数料やスプレッドが平均取得単価に積み上がります。
取引コストの体系は会社ごとに違うので、一度比べておくと安心です。
※手数料などの最新条件は、必ず各公式サイトでご確認ください。
株の計算例:3回に分けて買った場合
ある銘柄を、次のように3回に分けて買ったとします。
| 購入 | 株価 | 株数 | 購入金額 | 手数料 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,200円 | 100株 | 120,000円 | 99円 |
| 2回目 | 1,000円 | 100株 | 100,000円 | 99円 |
| 3回目 | 900円 | 200株 | 180,000円 | 99円 |
| 合計 | - | 400株 | 400,000円 | 297円 |
※手数料99円は計算用の仮の数字です。実際の手数料は証券会社や取引コースによって異なります。
400,000円 ÷ 400株 = 1,000円
手数料を含める場合
(400,000円+297円)÷ 400株 = 1,000.74…円 → 1,001円(1円未満切り上げ)
単純平均(約1,033円)より、正しい平均取得単価(約1,000円)のほうが低くなりました。安いときに多く買っている(3回目は200株)ため、平均は安い価格のほうへ引っ張られるからです。
仮想通貨の計算例:金額指定で買った場合
仮想通貨は「1万円分」のように金額を決めて買うことが多く、数量が小数になります。計算式は株と同じです。
| 購入 | 1BTCの価格 | 購入金額 | 買えた数量 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,000万円 | 10,000円 | 0.001 BTC |
| 2回目 | 800万円 | 10,000円 | 0.00125 BTC |
| 3回目 | 1,250万円 | 10,000円 | 0.0008 BTC |
| 合計 | - | 30,000円 | 0.00305 BTC |
※価格の単純平均は約1,016.7万円
毎回同じ金額で買うと、価格が安いときほど多くの数量を買えるため、平均取得単価は価格の単純平均より低くなります。これが積立投資でよく聞く「ドルコスト平均法」の仕組みです。ただし、買ったあとに価格が平均取得単価を下回れば損失になる点は変わりません。
仮想通貨の「販売所」では、売値と買値の差(スプレッド)が実質的なコストになり、そのぶん購入価格が高くなります。
たとえば市場の中心価格より2%高い価格で買えば、平均取得単価も約2%高くなります。買い増しを繰り返す人ほど、「販売所」と「取引所(板取引)」の違いを知っておくと役立ちます。
買い増し(ナンピン)で平均取得単価はどう変わる?早見表
「値下がりしたところで買い増して、平均単価を下げたい」と考える人は多いと思います。実際にどう変わるのか、1,000円で100株持っている株が800円に下がったケースで比べてみます(手数料は考慮しません)。
| 800円で 買い増す株数 |
追加資金 | 平均 取得単価 |
利益が出る までの上昇率 |
さらに600円まで 下がった場合の損失 |
|---|---|---|---|---|
| 買い増さない | 0円 | 1,000円 | +25.0% | −40,000円 |
| 100株 | 80,000円 | 900円 | +12.5% | −60,000円 |
| 200株 | 160,000円 | 約867円 | +約8.3% | −80,000円 |
| 300株 | 240,000円 | 850円 | +6.25% | −100,000円 |
※上昇率は、現在の株価800円から平均取得単価まで戻るのに必要な値上がり率です。
買い増す株数を増やすほど、平均取得単価は下がり、小さな値上がりでも利益が出やすくなります。一方で、さらに値下がりしたときの損失は2万円ずつ大きくなっていきます。平均単価が下がることと、損失のリスクが小さくなることは別の話です。
「平均単価が下がって安心」と感じやすいのですが、実際にはその銘柄に入れているお金が増えている状態です。
買い増す前に、「この追加資金を失っても生活に困らないか」を一度だけ自分に聞いてみてください。
値上がりしてから買い増すと、平均取得単価は上がる
逆に、1,000円で100株持っている株を1,200円で100株買い増すと、平均取得単価は1,100円に上がります。上昇の途中で買い増す方法(ピラミッディングと呼ばれます)は、平均単価が上がるぶん、少しの値下がりで含み益が消えやすくなる点に注意が必要です。
一部を売ったら平均取得単価は変わる?
結論から言うと、一部を売却しても、残りの平均取得単価は原則変わりません。売ったぶんの数量と取得金額が、平均単価のまま差し引かれるだけです。
・売却した200株の利益:(1,100円 − 1,000円)× 200株 = 20,000円(手数料・税金を除く)
・残り200株の平均取得単価:1,000円のまま
「利益を確定したから、残りの単価も下がったはず」と考えがちですが、そうはなりません。証券会社のアプリでも、売却後の取得単価は基本的に同じ数字が表示されます。
証券会社・税金計算でのルール(株と仮想通貨の違い)
株:「総平均法に準ずる方法」で計算する
同じ銘柄の株を2回以上に分けて買った場合、税金の計算では「総平均法に準ずる方法」で1株あたりの取得価額を出します(国税庁 タックスアンサーNo.1466)。考え方はこの記事の計算式と同じで、主なポイントは次の3つです。
✔ 1株あたりの金額に1円未満の端数が出たら切り上げる
✔ 特定口座なら、証券会社が自動で計算して年間取引報告書に反映してくれる
なお、NISA口座と課税口座(特定口座・一般口座)で同じ銘柄を持っている場合、証券会社の画面では口座ごとに別々の取得単価が表示されます。NISA口座の利益は非課税のため、課税口座の損益とは分けて考えます。また、株式分割があった場合は、株数が増えるぶん1株あたりの取得単価が調整されます(1株→2株の分割なら単価は半分)。
仮想通貨:「総平均法」か「移動平均法」を選ぶ
仮想通貨の利益を計算するときの取得価額は、総平均法(1年間の購入総額÷総数量で年1回計算)か移動平均法(買うたびに平均単価を計算し直す)で求めます。届出をしなければ総平均法になり、同じ取引でも方法によってその年の利益(=税金)が変わることがあります。
取引所のアプリに表示される平均取得単価が、税金計算に使う方法と同じとは限りません。
また、複数の取引所を使っている場合は、すべての取引所の取引を合わせて計算する必要があります。
具体的な計算例や、税額の目安が分かるシミュレーターは、次の記事にまとめています。
総平均法と移動平均法の違いを数字で比べた例と、利益額から税金の目安を出せる無料シミュレーターを用意しています。
取引の回数や使っている取引所が多く、手計算が大変な場合は、取引履歴を読み込んで損益を計算してくれるサービスを使う方法もあります。たとえば利用者No1の仮想通貨税金計算サービス【CRYPTACT(クリプタクト)】は、総平均法・移動平均法のどちらの計算にも対応しています(料金プランなどの詳細は公式サイトでご確認ください)。
買い増しで平均取得単価を下げる前に決めておきたい3つのこと
平均取得単価の計算ができるようになると、「あといくら買えば単価がいくらになるか」がすぐ分かります。だからこそ、勢いで買い増す前に次の3点を決めておくことが大切です。
1. 追加で使う資金の上限
早見表のとおり、買い増すほど値下がり時の損失は大きくなります。「この銘柄に入れるのは合計いくらまで」と先に決めておくと、下がるたびに買い増して資金が尽きる事態を避けやすくなります。
2. 撤退ライン(損切りの基準)
価格が平均取得単価まで戻る保証はありません。「ここまで下がったら売る」「この条件が崩れたら見直す」という基準を、買い増す前に決めておきましょう。
3. 値下がりの理由を確認したか
株なら業績の悪化や不祥事、仮想通貨なら規制やハッキングなど、値下がりには理由があることが多いです。「最初に買った理由が今も成り立っているか」を確認せずに平均単価だけを下げても、損失を広げてしまう可能性があります。
手数料を抑えると、平均取得単価も抑えられる
平均取得単価には、購入時の手数料やスプレッドも含まれます。1回あたりは小さな金額でも、少額で何度も買い増すスタイルほど、コストの差が単価に積み上がります。
これから口座を作る方や、今の口座のコストが気になる方は、次のような点を比べてみてください。
✔ 1回あたりの売買手数料(少額取引の手数料)
✔ NISA口座の使いやすさ
✔ 単元未満株(1株単位)で買えるかどうか
【仮想通貨の口座で比べたいポイント】
✔ 「取引所(板取引)」で買える銘柄があるか
✔ 積立サービスの有無と最低金額
✔ 日本円の入出金手数料
株の平均取得単価を管理するなら|マネックス証券
ネット証券大手のひとつで、日本株・米国株の取引に対応しています。保有銘柄ごとの取得単価や損益は、アプリや取引画面で確認できます。手数料体系やキャンペーンは変わることがあるため、口座開設前に公式サイトで最新の条件を確認しておきましょう。
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アプリの操作がシンプルで、仮想通貨をはじめて買う方にも使いやすい取引所です。販売所に加えて、一部の銘柄は取引所(板取引)でも売買できます。毎月決まった金額で買う積立サービスもあり、金額指定でコツコツ買いたい方の選択肢になります。
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入出金のコストも抑えたいなら|GMOコイン
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※各社の手数料・取扱銘柄・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は必ず各公式サイトをご確認ください。
よくある質問
Q. 平均取得単価に手数料は含める?
A. 税金の計算では、購入時の手数料(消費税を含む)は取得価額に含めます。証券会社の画面に表示される取得単価も、手数料込みの数字になっていることが一般的です。自分で計算するときは手数料を足すのを忘れないようにしましょう。
Q. 一部を売ると平均取得単価は下がる?
A. 原則として変わりません。売却で減るのは数量と、それに対応する取得金額だけです。平均取得単価が変わるのは、新たに買い増したときです。
Q. NISAと特定口座で同じ銘柄を持っていたら合算する?
A. 証券会社の画面では、口座ごとに別々の取得単価が表示されます。NISA口座の利益は非課税のため、課税口座の損益計算とは分けて考えます。
Q. 仮想通貨を複数の取引所で買っている場合は?
A. 税金の計算では、同じ通貨であれば取引所をまたいで合計して平均取得単価を計算します。各取引所のアプリに表示される単価をそのまま使うとズレることがあるため、取引履歴をまとめて計算しましょう。
Q. 平均取得単価まで戻れば損はしない?
A. 手数料や税金を考えなければ、価格が平均取得単価を上回った分が利益になります。ただし、価格が平均取得単価まで戻るかどうかは誰にも分かりません。戻る前提で買い増しを続けると、損失が大きくなる可能性があります。
まとめ:まずは「今の平均取得単価」を正しく知ることから
- 平均取得単価=(購入金額の合計+手数料)÷保有数量の合計
- 価格の単純平均ではなく、買った数量の違いまで含めて計算する
- 買い増しで単価は下がるが、さらに下がったときの損失は大きくなる
- 一部売却しても、残りの平均取得単価は原則そのまま
- 仮想通貨は総平均法・移動平均法で税金計算上の利益が変わる
平均取得単価が分かると、「いくらまで戻れば利益になるのか」「買い増しにいくら必要か」を数字で判断できるようになります。まずは上の計算ツールに、今持っている銘柄の購入履歴を入れてみてください。
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⚠️ 免責事項とご利用上の注意
- 本記事および計算ツールは、平均取得単価の一般的な計算方法を紹介するものであり、特定の銘柄や金融商品の売買、買い増しを推奨するものではありません。
- 計算ツールの結果は、入力された条件にもとづく簡易的な計算です。証券会社・取引所の表示や、税務上の取得価額とは端数処理や計算方法の違いにより一致しない場合があります。将来の運用成果を保証・約束するものではありません。
- 記事内の税制に関する情報は2026年10月時点のものです。個別の税務判断については、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
- 株式や仮想通貨は価格変動が大きく、元本を下回る可能性があります。買い増しは損失を拡大させる可能性もあります。
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<参考資料>
国税庁 タックスアンサーNo.1466「同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費」
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」

