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📌 ビットコインを保有する国内上場企業の動きは、こちらの記事でも解説しています。→ ビットコインジャパン(旧・堀田丸正)とは?社名変更から初のビットコイン購入まで解説
💡 この記事のポイント
- メタプラネット(3350)が7〜9月期にビットコインを純額1,000BTC買い増し、保有量は4万4,000BTCに
- 米トゥエンティワン・キャピタルを抜き、ビットコインを持つ上場企業で米ストラテジーに次ぐ世界2位に浮上
- 四半期中に1万BTCを売却したのは、「必要なときに現金化できる」ことを格付け機関や投資家に示すため。利鞘を稼ぐ新戦略も発表
メタプラネット(3350)は10月5日、2026年12月期第3四半期(7〜9月)のビットコイン取引の状況と、新しい資本配分方針を発表しました。CoinPostとNADA NEWSの報道をもとに、「何が起きたのか」と「なぜ売ったのか」を、仮想通貨や株を始めたばかりの方にもわかるように整理します。
1. 日本企業がビットコイン保有で「世界2位」に
メタプラネットの9月30日時点のビットコイン保有量は4万4,000BTCになりました。ビットコイン保有企業を集計するサイト「BitcoinTreasuries.net」のデータでは、上場企業のなかで世界2位にあたります。
- 1位:米ストラテジー(旧マイクロストラテジー) 約84万8,000BTC
- 2位:メタプラネット 4万4,000BTC
- 3位:米トゥエンティワン・キャピタル 4万3,514BTC
※ストラテジーの保有量はCoinPost、3位の保有量はNADA NEWS(BitcoinTreasuries.netのデータ)による。
7月時点では4万3,000BTCで3位でしたが、今回の買い増しで順位を1つ上げました。ただし、1位のストラテジーとは20倍近い差があり、3位との差はわずか486BTCです。順位は他社の購入によってすぐに入れ替わる可能性があります。
そもそも、なぜ企業がビットコインを持つのか
メタプラネットのように、会社の資産(トレジャリー)の大部分をビットコインで持つ企業は「ビットコイン・トレジャリー企業」と呼ばれます。現金のまま持っていると、インフレや円安で価値が目減りする可能性があるため、長期的に価値が上がると期待するビットコインに置き換えている、という考え方です。
株式市場の投資家にとっては、「ビットコインに連動しやすい日本株」として売買されることが多い銘柄です。
2. 1万BTCを売って1万1,000BTCを買った理由
今回の発表で注目されたのは、単に買い増しただけではない点です。同じ四半期のうちに、いったん1万BTCを売却し、別に1万1,000BTCを購入しています。
- 売却:1万BTC(平均単価 約1,247万円、総額 約1,247億円)
- 購入:1万1,000BTC(平均単価 約1,363万円、総額 約1,499億円)
- 差し引き:純額1,000BTCの増加
狙いは「いざという時に現金化できる」ことの証明
CoinPostによると、サイモン・ゲロヴィッチCEOは、今回の売却について、借入の返済などが必要になったときに実際にビットコインを現金化できることを、格付け機関やお金を貸す側の投資家に示すためだったと説明しています。
身近な例でいえば、住宅ローンの審査で「貯金があります」と言うだけでなく、「必要ならすぐに引き出せます」と実際に見せるようなものです。数百億円単位のビットコインを市場で売れることを示せれば、貸す側の安心材料になります。
目標は「信用格付け」の取得
NADA NEWSによると、同社は今回の取引を、信用格付けの取得や、社債・優先株式などによる資金調達手段の拡大につなげる考えです。格付けがあると、機関投資家がお金を出しやすくなり、より有利な条件で資金を集められる可能性があります。
ただし、平均単価を見ると、売った価格(約1,247万円)より買った価格(約1,363万円)のほうが高くなっています。売買の順番や時期の詳細は報道では明らかになっておらず、この差が「信用を得るための必要なコスト」だったかどうかは、今後の格付け取得の結果で評価が分かれそうです。
3. 新しい資本配分方針と「利鞘を稼ぐ」戦略
同時に、会社のお金の使い方を決める「資本配分方針」も改定されました。
- 総資産の85〜90%:ビットコインで保有
- 総資産の10〜15%:戦略投資枠(金融プラットフォーム構築のためのM&A、安定した利回りが得られる資産への投資、資産運用事業の資金)
ネット・インタレスト・インカム戦略とは
もう一つの新方針が「ネット・インタレスト・インカム戦略」です。CoinPostによると、社債(ビットボンズ)や永久型優先株式など、普通株主の持ち分を薄めない(希薄化させない)方法で集めたお金を、海外のビットコイン関連の証券(ほかのビットコイン・トレジャリー企業が発行する優先株など)に投資し、調達コストと運用利回りの差(利鞘)を得るというものです。
・希薄化:会社が新しく株を発行すると、1株あたりの利益や持ち分が薄まり、既存の株主にとって不利になりやすいことです。
・利鞘(りざや):たとえば年3%で借りたお金を年7%で運用できれば、差の4%が利益になります。銀行が預金と貸出の金利差で稼ぐのと同じ仕組みです。(※数字は説明のための例です)
これまでのビットコイン・トレジャリー企業は「株を発行して資金を集め、ビットコインを買って持ち続ける」形が中心でした。メタプラネットは、ビットコインの保有を軸にしつつ、借り入れたお金で金利収入も得る方向に事業を広げようとしています。
4. 投資家が押さえておきたい注意点
- ✅ 株価はビットコイン価格に大きく左右される:総資産の大半がビットコインのため、ビットコインが下がれば会社の資産価値も下がり、株価が大きく動く可能性があります
- ✅ 借り入れが増えるとリスクも増える:利鞘を稼ぐ戦略は借入が前提です。運用先の価格が下がったり、金利が上がったりすると、利益どころか損失が出るおそれがあります
- ✅ 格付けはまだ「取得を目指す」段階:今回の売却はあくまで準備です。格付けが実際に取得できるか、どの水準になるかは決まっていません
- ✅ 株とビットコインは別物:メタプラネット株を買うことと、ビットコインを直接持つことは、値動きの大きさもリスクの種類も異なります。株には会社の経営や資金調達の影響も加わります
まとめ:「持つだけ」から「稼ぐ」段階へ
メタプラネットは、純額1,000BTCの買い増しで保有量を4万4,000BTCとし、ビットコインを持つ上場企業の世界2位に浮上しました。さらに、あえて1万BTCを売って現金化できる力を示し、信用格付けの取得や、普通株を薄めない形での資金調達、利鞘を稼ぐ新戦略へと動き出しています。
一方で、借入を使う戦略はビットコインが下落した局面で負担が重くなる可能性があり、3位との差もわずかです。今後の格付けの取得状況や、次の四半期の保有量の推移をあわせて確認していきたいところです。
なお、企業がビットコインを買い増したことは、その企業の株価やビットコインの価格が上がることを意味するものではありません。本記事は特定の銘柄の購入や売却をすすめるものではなく、投資判断は開示資料をご自身で確認したうえで、自己責任でお願いします。
企業のように一度に大量に買うのではなく、個人なら価格が下がった局面で少しずつ買い足す「ナンピン買い」も選択肢です。ただし、下落が続くと損失が膨らむリスクもあるため、買い足したあとの平均取得単価がいくらになるか、事前に試算しておくことが大切です。
→ ナンピン計算機で平均取得単価を試算する
※本記事は情報提供を目的としたもので、投資勧誘・助言ではありません。内容は2026年10月5日時点の報道・会社発表をもとにしており、数値は報道ベースです。保有量の順位は集計サイトのデータで、他社の動向により変わる可能性があります。株式や暗号資産の取引にあたっては、価格変動リスクなどを十分にご理解のうえ、ご自身の判断と責任で行ってください。
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